皆さんは、普段からどれほどの頻度で人前に立ち、発表していますか?私の場合はクラス単位だと1か月に3回ほど、学校全体単位だと1年で3回ほどの頻度で発表をしています。
もちろん、全ての人がこれほどのスピーチをしているとは思いませんし、自分でもこの数字は他の人に比べれば異常な量かなとも思っています。
とはいえども、実際にスピーチを行ったからと言って、何らデメリットはありませんし、強いてあげるとしても、間違えた際に恥ずかしいと思う程度で、それも失敗しないほど練習を重ねればいいだけの話です。
一方で、人の話はどれほど聞いていますか?この量に関しては、私と読者の方に大きな差はないと思っています。というのも、私は特段、学校を抜け出して大学の講義を聞きに行っているわけでもないし、かといってインタビューを行っているのかといわれても、そんなこともありません。ごく一般的に、学校での講演会を傍聴したり、式典において校長先生の話を聞いたりするのが関の山です。
しかし、講演会の後に友人とその話についての振り返りを行うと、私と友人の間には大きな違いがあります。それは「相手がそもそも何を言いたかったのか」という根本の理解のことです。尤も、彼ないしは彼女のまとめをすべて否定するつもりはありませんし(講演会において、外部から講師の先生をお招きしているというのに睡眠学習を行ったり、内職をしたりして話を聞いていないのなら話は別ですが)、自分の理解が彼らとの話によってさらに深まったり、さらには相手の意見によって自分の意見を訂正したりするなど、人によって話の聞き方がさまざまあることがうかがえます。
ですが、たいていの場合(多くの場合友人に話を聞く気がないとも言う)、私の方が相手の話をより順序だててまとめられ、結論までを導き出すことができています。それは、講演会の後の質問時間においても大きな差を生み出しています。
英語や国語の問題においても、リスニング問題が出題されるようになって久しいですが、その中に要約問題がないことを見たことはありません。しかし、それにしても、やはり相手の言うことに対して耳を傾けないのはおかしいですし、何より自分のためになりません。
そこで、今回はいい話し方といい聞き方についてお伝えしたいと思います。
まずは、いい聞き方から。用意するのは、集中できる耳と、書きやすい筆記用具と紙、硬い下敷きです。これだけで、話の聞き方は圧倒的に変わります。しかし多くの場合この準備さえもできていないのが現状です(少なくとも私の通う高校では)。
相手の話が始まる前に、下準備として、紙に軽く線を入れておきましょう。最初から小さめに区切っておけば、その中で字が大きくなることもなく、目があちらこちらに移ることがなくなり、文字の行き来がしやすくなります。
次に、筆記用具を自分にとって一番使いやすい状態にカスタマイズしておきましょう。例えば、ペンの重さを変更するだとか、先端についているごみを取り除くなどのことです。
相手の言っていることを常に要約しながら書き留めていくことが最低条件となります。相手がそもそも何を言いたいのか。人間の記憶容量は一定ですから、初めて聞く内容であるはずの講演会において、いきなりすべての文章を覚えろと言われても不可能に近いわけです(ユーグレナの社長の講演を除く)。ですから、書き留めていく中で矛盾点を発見したり、自分が理解していない点について質問したりしようという行動につながるのです。
また、これに加えて(過剰になってもいいくらいの)うなずきを行うことがいい聞き手になるためのポイントになります。普段から、なにも考えずにぼーっと生きていると、どうしても相手の話を聞くときもぼーっとなりがちです。それでは相手が何を言っても頭の中に入っては来ません。彼らが「言語」を話しているように聞こえるだけで、それを理解することを放棄しているのですから。
しかし、ここでうなずきながら話を聞くことは大きな意味を持つのです。それは、相手の話を聞いているよと自分をごまかしているというのに近いのかもしれません。しかし、話し手にとっても、これは非常に大切なことで、聞き手にやる気がなければ、話してもそれなりに手を抜き始め(というか、失敗したと考え自信がなくなる)、しまいには声が通らなくなるという悪循環に陥ってしまうのです。それを防ぐためには、自分も相手も同じくらい話に熱中できるようにしておくことが大事なのです。
では次に、いい話し手になるために何をすればいいかということについて。
話し手は聞き手に比べて格段に難しくなります。しかし、多くの話し手のスピーチを耳にしていれば、やるべきことは大体わかっているはずです。つまらない講演からでも学ぶことは十分にありますし、もっと有益なスピーチだったのならもっともっと有益なスピーチに仕上がることは間違いなしです。
今回は、その中でも自分が実践していることを書きます。
- 結論→抽象→具体例→抽象(→具体例→抽象)→結論 の順に話す
まずはこれ、先述のように、人間の記憶容量は一定ですから、長々した話は覚えきれないのがほとんどなのです。そんな中でも自分が伝えたいことがあるとすれば、それは最初と最後に一度ずつ入れましょう。同じ内容で結構です。これは、アメリカでよく使用される手法です。小論文などでもよく用いられ、最初と最後の文章の内容が一致することから、非常に万人に分かりやすい文章構成となっています。
- 同じことを何度も繰り返す
次にこれ、同じようなことは第二次世界大戦中のドイツにおいても行われていました。考え方は同じ、記憶容量に限界があることを知っているために、それを逆手に利用してそれだけを徹底的に教え込ませる。同じ理論と結論を表現変更しながら何度も復習していくといったところでしょうか。相手にとってみても、同じようなことを言っていたのだなということで印象付けることができます。
- 抑揚をつける
最後にこれ、やはり人間何もしていないと脳が休んでしまいます。今私もこの記事を書きながら、右脳の方は寝ているような気がしています。何しろ自分の打っている字さえもまともに読めない。自分のキーボードと感覚を頼りに打っているのです。という話はさておいて、脳が休んでしまっては、それは思考放棄に近いものです。非常にもったいない。
そこで、抑揚をつけることによって、どこが重要でどこがさほど重要でないかをはっきりさせることができるのです。
いかがだったでしょうか。話し方にしても聞き方にしても、自分でもっと学べるなんてこともあるかもしれません。そう思っていただけることがあれば幸いです。また、この記事をきっかけに何か新しい話し方の方法など編み出せましたら、ぜひコメント等いただければと思います。ありがとうございました。