学校に行かない子ども🧝‍♂️世界を🕹スマホやゲーム🎮が広げてくれた

学校に行けない子どもの世界を、スマホやゲームが広げてくれた

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おひさしぶりです、hiyou-maです。中学から学校にほとんど通っていない長男は見事、予想通り、2浪が決まりました。

本人は「まあ、2浪は理系ではあるあるだから」と飄々としていますが、親の立場から言わせていただくと「知らんわそれよりもっと勉強してくれおかんは胃が痛い」です。

さて、今回はこんな長男とスマホ・ゲームの話をします。

今回も、あくまでひとりの、素人の母親の体験談、エッセイです。学校に行きにくい子の保護者として正しいことをしているかどうかはわかりません。あくまで「こういう考えもある」「こういうやり方もある」という参考にとどめてください。ご自身がどうするかは、ご自身と、お子さんと、できればカウンセラーなど第三者の意見も参考にして決めていただければと思います。

「外に出ていくきっかけを増やしたい」だから私は学校に行かないわが子にスマホを持たせた

私が長男にスマホを持たせたのは、彼が中学3年生のときでした。

当時の状況を簡単に説明しておきましょう。もともと、長男には中学に入ったら様子を見つつスマホを持たせる予定はしていました。しかし、体調を崩したのをきっかけに学校に行けなくなったため、当分はいらないでしょうと契約を保留していました。家から出られないし、友だちとのコミュニケーションにインターネットを使う場合はパソコンを使えばいいからという判断でした。

中学3年生当時、長男は心身の状態が悪く学校にはほとんど行けず、しかし学校以外のイベントには体調次第では行ける状態でした。鬱のような症状を持つお子さんをお持ちの保護者の方ならわかっていただけるかと思います。ストレスかかる場所には行けないけど、かからない場所には行けるし少々の無理もできてしまう、という状態ですね。ええ、最も世間の、もしかしたら親の理解すら得られない状態です。

そういう子にスマホを持たせていいのか。

不登校ぎみになった子に、スマフォを持たせるべきか否か……・

夫は消極的でした。夫はもともとスマホに興味がなく(当時、夫自身まだスマホを持っていませんでした)、持つ必要性はほとんど感じていませんでした。むしろ、あんなのもたせたらゲームにばかり使ってろくなことにならないんじゃないか、という危惧も抱いていました。

一方、私は仕事柄ガジェット大好き人間。スマホはもちろんすでに持っていて、仕事に趣味に活用していました。その経験から、私は積極的賛成派でした。

理由はたったひとつ。「スマホを使えば世間とのつながりができる、広げることができるから」。

スマホやインターネットで交友関係が広がることによるトラブルというのは、あとを絶ちません。子供に持たせることをためらう保護者の方がいるのもよーくわかります。しかし、自慢じゃないですが私はNIFTY-Serve時代からのネットユーザー。今では仕事もクライアントの新規開拓含めほぼすべてオンラインで行っています。その経験上、うまく使うことができれば、スマホでこの子が外に出るきっかけが増えるのではないか、と思ったわけですね。そしてそれは、きっとこの子のためになるだろう、と。

スマホを持たせたときに長男とした、たったひとつの約束

ただし、無条件でスマホを持たせることはしませんでした。スマホを持たせる際にひとつだけ、長男と約束したことがあります。

それは、「SNSを使うときは相互フォローすること」。

なぜこんなことを約束したかというと、SNSで相互フォローしておくことで、長男の発言と交友関係をある程度把握することができるから。もちろん、SNSといってもLINEのようなクローズドなアプリになってくると親の目も届かないのですが、とりあえず親の目が届く範囲はしっかり届かせようと思ったわけです。

そしてその上で、SNSでの発言やフォロイー・フォロワーとの会話をチェック。「これはちょっと」と思うことがあれば、理由を添えて口頭で注意。こういうのをしばらく続けて、インターネット上でやっていいこと悪いことを教えていきました。

スマホやソシャゲで子供の世界が広がる、こともある

そうしてスマホを楽しんでいるうちに、もともとゲーム好きだっだ長男はソーシャルゲーム(ソシャゲ)や音楽ゲーム、リズムゲームをやるようになりました。

ソーシャルゲームについてはあるゲームにドハマリし、しつこいくらい「お母さんもやってよ」と誘ってきたこともあります。正直私はそういうゲームは好きでなかったのですが、そこまで言うならとダウンロードして同じゲームをしたことがあります。このときは攻略法やキャラの使い方などについて何度も親子で話をした記憶があります。

これを通じて、私自身、ソシャゲについてある程度わかってきました。


たとえば、ソシャゲというと課金ガチャがしばしば問題になります。それについては長男と何度が話をし、「絶対するなとは言わない。したければ、お小遣いの範囲内でコンビニでプリペイドカードを買って、それを使うこと。金額が大きい場合は事前に親に相談」というルールを決めました。

やがて長男は、こういったゲームを通じ友だちが増え、イベントに行くようになり、リズムゲームもスマホゲームだけでなくゲームコーナーにおいてあるようなアーケード系のゲームをするようになり……と、どんどん世界を広げていきました。

アーケード系のゲームをするようになると、今度はゲームコーナーでも知り合いが増えていきます。また、SNSの友だちと一緒に、他県のゲームコーナーまで遠征してゲームを楽しむことも増えてきました。

その結果、気づけば長男の友人はかなり増え、外にも積極的に出るようになりました。また、私立中学に入ったことで地元の友だちとは縁遠くなっていたのですが、ゲームを通じて再会し、また遊ぶようにもなりました。学校にはまた別の問題があってなかなか通うのが難しい状態が続くのですが、それでもなんとか家に引きこもることなく、単位制の高校を無事卒業することができました。

なお、長男にスマホを持たせることをあまり快く思っていなかった夫は今、スマホを持ち、長男と一緒にPokemon GOにドハマリしています。Pokemon GOのイベントがあるときなどは二人で出かけていろいろ話しているようで、なんとなく、一時期に比べると親子の仲も良くなった……と思います。

もちろん、すべての子がこういうふうにスマホやゲームで良い方向に行くとは限らないでしょう。うちの子がこうだったからよその子もこうすべき!とも思いません。長男がスマホやゲームで大きなトラブルを抱えずに済んだのは、運が良かっただけなのかもしれませんからね。

でも、もし、自分の子にちょっとでも世界や交友関係を広げてほしいと思うのであれば、スマホやゲームと上手に付き合うことは十分に選択肢のひとつになると思うのです。

そういえば、当時通っていたカウンセラーの方からも、「スマホで好きなアイドルのファン仲間を見つけてコンサートやオフ会に行くようになって、友だちを増やした子がいる」という話を聞きました。

だから、「うちの子、学校にも行けないのにスマホ使わせて大丈夫なのかな」と不安に思ったり、「うちの子、学校にも行けないのにスマホやゲームばかりやっていて」と不満に思ったりしている保護者の方がもしいらっしゃったら、ちょっと考え方を変えてみてもいいかもしれません。

今、自治体によってはゲームやスマホの使用時間に制限をかけようとする動きがあるようです。ゲームやスマホがあるから良くない、という考え方をすること自体は否定しません。夢中になりすぎてしまったり、トラブルとか起こしたり巻き込まれたりするケースもありますからね。でも、ゲームもスマホも、しょせんツールのひとつでしかありません。そのツールを活かして、親がある程度チェックしながら、子どもをいい方向に変えていくことができればいいな、と思っています。

hiyouma

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