仏教徒の五戒律

目次

みなさん、こんにちは。ラオス・チャプターのスタッフ、カムラと申します。

前回の記事に引き続き、ラオスの文化の紹介をしていきたいと思います。

今日は皆さんに仏教の5戒律についてご紹介したいと思います。

 

仏教の戒律

仏教には五戒律という5つの戒律がある、ということを御存知の方は多いかもしれません。

しかし、正式には八戒律、十戒律、二二七戒律とたくさんの戒律があります。

五戒律は仏教徒の戒律です。

八戒律は、女性のお坊さん=尼さんの戒律です。

十戒律は見習い僧、小僧の戒律です。

二二七戒律は正式なお坊さんの戒律です。

今回は、五戒律についてご紹介したいと思います。

五戒律の詳しい内容は、以下のとおりです。

  1. ປານາຕິປາຕາ ເວຣະມະນີ ສິກຂາປະທັງ ສະມາທິຍາມິ(パーナーティパター ウェーラマニー シッカーパターン サマーティヤミ)殺してはいけません。
  2. ອະທິນນາທານາ ເວຣະມະນີ ສິກຂາປະທັງ ສະມາທິຍາມິ(アティンナーターナー ウェーラマニー シッカーパターン サマーティヤミ)盗んではいけません
  3. ກາເມສຸມິຈສາຈາຣາ ເວຣະມະນີ ສິກຂາປະທັງ ສະມາທິຍາມິ(カーメースミサーチャーラー ウェーラマニー シッカーパターン サマーティヤミ)浮気/不倫してはいけません
  4. ມຸສາວາທາ ເວຣະມະນີ ສິກຂາປະທັງ ສະມາທິຍາມິ(ムサーワーター ウェーラマニー シッカーパターン サマーティヤミ)嘘をついてはいけません
  5. ສຸຣາເມຣະຍະມັຊຊະປະມາທັຖຖານາ ເວຣະມະນີ ສິກຂາປະທັງ ສະມາທິຍາມິ (スラーメーラヤマッーサパマータターナー ウェーラマニー シッカーパターン サマーティヤミ)アルコール飲料を飲んではいけません

 

 

 

 

 

 

以上の五戒律は比較的有名で、ラオ族を中心とした多くのラオス人の基本的な道徳・規範となっています。

私の意見ですが、この五戒律はラオス以外の国や地域でも受け入れられる基本的な人間の道徳だと思います。

たとえば、「殺してはいけません」といったことは、人種や文化がどれだけ異なっても大事な人間社会のルールですね。

「盗んではいけません」ということも、強盗のような犯罪がない社会は誰もが求めるものだと思います。

「浮気/不倫してはいけません」というルールをしっかり守れば、男女-夫婦・家族の間に生じる多くの問題は発生しないでしょう。

「嘘をついてはいけません」ということも、人を騙したり、傷つけたりするような関係をつくることはありません。

「アルコール飲料を飲んではいけません」というルールについても、たとえば交通事故や暴力事件のようなことを起こさないためには、とても有益な規範です。

つまり、5戒律は全ての人間関係―社会の道徳の基本だと思います。

しかし、さらに私の考えを述べますと、このような五つの戒律は、日本などの発展を遂げた近代社会に適合するとは限らないと思います。

たとえばですが、セールスマンのような職業の人は、自分の心の中をいつでも正直に言うわけにはいかなくなります。少し嘘をついたり、何かを隠したりすることが、お金の駆け引きでは必要になったりもするのではないでしょうか。また、多くの国でも飲酒を伴うビジネスの駆け引きが必要だったりして、飲みたくなくてもお酒を飲むことになったりしますね。

今回のような仏教の戒律-道徳といったものは、その社会の文化や人々の価値観と順応ずべきです。一部の戒律は、私たちの生活に馴染まないものもあります。

たとえば、見習い僧、小僧の戒律の六番目には、「晩ごはんをたべてはいけません」というものがあります。

しかし、多くの見習い僧、小僧はまだ学生、子供です。もし晩ごはんを食べなったら体を壊し、勉強もできません。

私は個人的には、発育中の青少年などは、晩ごはんをしっかり食べる必要があると思います。

 

このようにラオスでも経済的・社会的な発展とともに、それまであった古い伝統や価値観をどのように捉え直していくべきか、一人一人が考えなくてはならないこととなっています。

 

 

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