はじめに
前回の記事では、価値を図る尺を自分で決定しよう、ということを提案しました。今回は、またそこから少し先の話になります。
志望校選び②:1番を目指そう
前回の尺度から一転、「1番を目指せ」なんて無理だ、と思う方もいるかもしれません。しかし、私がここで伝えたいのは「絶対的な1番を目指せ」というわけではありません。
そもそも立ち返って考えてみてほしいのですが、「1番だ」と仮に叫ぶ人がいたとして、それは「何の1番」なのでしょうか。世の中の王者?権力の王者?いろいろ考えられるものがあるかと思います。
ここで、仮に「えらく見える」総理大臣を例に挙げてみましょう。例えば、今の日本では確かに「行政の長」は総理大臣です。今回の非常事態宣言の発令や、閣議決定などの最終的な決定権は総理大臣にありますし、大臣の罷免も総理大臣が行えます。
しかし、どこの分野でも1番というわけではないのです。総理大臣という職業は、日本国においては国会議員に選出され、なおかつその中で支持を得なければいけない、というものなのです。
したがって、総理大臣になるためには、まず国民の支持を得て、さらに国会議員の支持を得なければならない。これでは、権力を持っているはずの総理大臣に権力を与えられる存在は国民ということになります。
つまり、総理大臣よりも、国民がえらいということになります(国民主権)。
これからわかる通り、「何か」について、1番になろうと思うことは重要ですが、その1番に「絶対」というものは存在しないということなのです。
そこで、重要になるのが「実現したいこと」です。やはり、未来を生きて行く存在の若者にとってみれば、将来したいことのために今を生きているという感覚は、非常に共感できるのではないかと思います。
例えば「甲子園に出たい」のであれば、出ることももちろん重要ではありますが、それでも優勝を目指すでしょう。「勉強をしたい」というのであれば、その分野で秀でた大学の研究室を目指すでしょう。
もちろん、どの分野に秀でているかということも、学校によって違います。それからわかるように、「これが私の生きたい道」というのがあれば、その夢に向かって、一番の近道を探そうと画策するはずです。
例えば、私の場合は将来的に生物の分野で働きたいと思っていますから、大学も生物の研究に秀でた(具体的な学校名は出すことができませんが)ところに行きたいと、思っています。
かつて、国会議員の中に「2位じゃだめなんですか」と、発言した人がいました。確かに、2位でもそれなりに生きて行くことはできるでしょうし、順位付けでいえば、上から2番目といった確固たる地位が築けるかもしれません。
しかしながら、いつの世の中でも2位というものは1位に比べれば、認知されない傾向にあります。
例えば、日本で1番高い山は富士山ですが、2番目に高い山は、どこの県の何山(何岳)か、ご存じでしょうか(答えは最後に掲載します)。多くの方が答えられないのではと思います。やはり、1度きりしかない人生。何か1つ極めてみるのが吉だと思います。
結論②:どうせなら1番を目指せ
志望校選び③:部活・施設・校風で選べ
それでも、やはり、志望校選びにおいては甲乙をつけられないこともあるでしょうし、大きく悩む場合もあります。例えば、学力で選ぶとして、同じような進学実績、同じような成績差、同じような学費、といった場合どちらの学校に進学したいか、なんてすぐに決められるモノかと言われればそうでないでしょう。
この時、選択の基準となるのが、部活・施設・校風といったこの3点です。多くの人が地元を離れ、他の地域から来た人と触れ合う時期である、高校時代は、友人関係に多くの影響が出ます。
誰しもが「地元から知らない人のいる都会・地域へ出てきた」という感情を持っているのです。したがって、そういった境遇を生き延びた生徒たちには、将来的に大きな「仲間意識」が芽生えてきます。そのため、将来的な繋がりが続くようになるのです。
また、この高校時代にしかできないことの1つが「部活」です。自分の趣味活動と言ってしまえば、加入する必要もないのかもしれませんが、モチベーションの1つに捉えるのであれば、多くの部活動がある学校に行った方が、様々な価値観を得ることができる(機会が増える)ことは確実であります。
加えて、校風・施設の綺麗さも、学校を選ぶうえで大切なものになります。地震大国日本ならではの耐震基準などももちろんのこと、学校の校舎自体がきれいであればあるほど掃除にも気を使っているということがわかり、3年間とはいえ、細かいところまで気を配れるといったストレスフリーな生活を送ることができるものだと、考えられます。
結論③:部活・施設・校風で選ぼう
前回と今回の2回に分け、志望校の選び方について書きましたが、尤もこれは私の独断や偏見が混じったものであるとも言えます。しかしながら、志望校選びに時間をかけるという根本自体には普遍性があると思います。その選定にかけた時間よりもそれ以上に高校で生活する時間の方が長いのですから。
日本で2番目に高い山の解答:北岳(山梨県・南アルプス市)